代表メッセージ
【日中関係の悪化】
昨年末より、日中関係が最悪ですね。高市総理大臣の台湾に関する答弁は、「存立危機事態」を説明したまでだと思いますが、何が問題なのかよく分かりません。日本が「絶対に関わらない」との言質を取るまでこの状態を続けるのでしょうか。第二次世界大戦の反省を基に、膨大な支援をした日本は一体何だったのかと多くの日本人は考えていると思います。1980年代の日中の温かな友好関係が懐かしいです。
【冷戦の正当性に関する対立】
冷戦時代は、アメリカ合衆国を中心とする西側諸国とソビエト連邦(ソ連)を中心とする東側諸国の軍事的対立のみが強調されることが多いですが、その根底にはイデオロギーの対立があったと言われます。アメリカには機会の平等を強調する「自由民主主義」があり、ソ連には人間の本質的平等を強調する「社会民主主義」があった。究極のところ、互いの、「民主主義」という「同一のシンボルを巡る優位性の争いという側面」があったということです。民主主義という「心を巡る戦い」だったと説明する学者もいます。そして互いに民主主義国として、国際法や条約など、最低限守るべきものが存在していた筈です。
【イデオロギーなき冷戦?】
冷戦が終わり1991年にソ連が崩壊すると、社会主義(共産主義)という「普遍的な?イデオロギー」で結束していた(させられていた)東欧・アジアの多数の国家がソ連を離脱し独立を果たしました。しかし当時から、社会主義という「普遍的なイデオロギー」の(固い)殻を失った旧構成国の間で民族紛争が激化することが予想されました。そしてその恐れが実際に現実となり、各地の紛争は武力衝突にまで至っています。
ロシアも、1994年のブタペスト覚書で、ウクライナが核兵器を放棄(ロシアに移転)する見返りにウクライナの安全を保障するとしていましたが、2014年にその覚書を反故にしてウクライナ領のクリミア半島を一方的に併合し、さらに、2022年にはウクライナに侵攻。そればかりか放棄させた核兵器での威嚇までも行っています。冷戦時の(建前にしろ)民主主義はどこに行ってしまったのかなと考えてしまいます。中国も同様に自国の国益拡大のみを優先し、その国益の前に、国際法も戦後の国際秩序も風前の灯に思えてきます。普遍的なシンボルを失った世界にはもはや民族主義しか残っていないのでしょうか。
【正しい戦争?】
「戦争に正しい戦争はない。あるのは愚かな戦争と賢い戦争があるだけで、日本は愚かな戦争を選択した」と断言した著名な歴史学者がいます。戦争は論外ですが、最近のニュースを見ながら日本の政治家が「愚かな選択」をしないことを信じたいです。子供たちの未来が心配です。
【二人のノーベル賞受賞】
昨年のノーベル賞で日本人は、生理学・医学賞に坂口志文氏、化学賞に北川進氏が選ばれ、列島大フィーバーです。お二人とも卒業大学は京都大学、坂口先生の出身高校は滋賀県立長浜北高校、北川先生は京都市立塔南高校でした。京都大学は日本最高峰の大学ですが、お二人の高校はそれ程の進学校ではありません。また両校とも私立高校ではなく公立高校でした。日本人のノーベル賞受賞者が京大や東大を含め全て国立大学、殆どが公立高校出身であることはよく知られています。また、その殆どが東京以外の出身でもあります。これにはいくつか仮説があります。例えば、「東京の教育が効率性を追い過ぎ手っ取り早く分かり易い目標にルートを設定し、効率的に知識を詰め込み、子供を走らせてしまう」というものです。真偽のほどは分かりませんが、何となく首肯できる話ではありますね。
【日本の教育改革】
公立といえば、昨年4月に愛知県初の公立中高一貫校が4校誕生しました。全国の公立中高一貫校と同様、知識の詰め込みではなく、思考力・判断力・表現力を重視し、生徒が主体的に学ぶ力を育てることを目指しています。半田高校附属中学校(半田附属中)での取り組みにおいても、数学における「自由進度学習」の採用、各教科における探究学習、ディベートや多種多様なセミナーなど、探究学習や協働的な活動を通して、課題を発見し解決する力や、多様な価値観を理解する姿勢を養っているようです。半田附属中が様々な教育を通してノーベル賞級の人材を生み出してくれることを楽しみにしています。
山王学院「公立中高一貫校受検コース」では、適性検査突破だけを目的とした小手先のものではなく、「なぜそうなるのか?」という疑問・根本理解を促す授業、現代社会が抱える課題をタイムリーに生徒と考える授業、「学び」それ自体がおもしろいと思っていただけるテキストの採用など、入学後もその力を如何なく発揮していただける工夫をしています。
思考・探究を重視する流れは、改革が進む大学入試の変化とも一致します。共通一次学力試験・センター試験は「高校で学んだ知識・技能がどれだけ身についているか」を広く公平に測る色合いが強く、典型問題を素早く処理する力が得点に直結しやすい試験でした。これに対し大学入学共通テストは、知識・技能に加えて思考力・判断力・表現力も重視して評価することを明確にし、問題文や図表・資料など複数の情報を読み取り、関連づけて結論を出す形式が増えています。こうした力は今後の社会の中で生き抜くために必要な力かもしれません。
山王学院は、「私立中学受験専科」「公立中高一貫校受検コース」「難関高校受験本科コース」「半田附属中専科・東進中学NET」「高等部・東進衛星予備校」「英会話・英検コース」すべての部門で、本物の学力はもちろん、激変する社会で活躍するための「人間力」の育成を目指しています。
代表 合田 威里
元大学講師(国際関係)
筑波大学大学院修了
